科学と文学が交差する、北海道の「健やかな日常」

効率を追わない誠実さが生む、20年続く信頼の形
札幌の穏やかな空気の中に、一風変わった健康食品メーカーがあります。創業32年を迎えた「サンセリテ札幌」。彼らのものづくりは、単なる栄養素の配合にとどまりません。そこには、創業者のルーツである「本」の文化と、北海道という風土が育んだ実直な対話が息づいています。
会社名:株式会社 サンセリテ札幌
設立年:1993
WEBサイト:https://www.sincerite.jp/
Contents
「文学的」な健康という新しい視点
サンセリテ札幌の哲学を象徴する言葉に、「健康は科学であり、文学である」というフレーズがあります。創業者は、かつて大手書店に25年間勤務した経歴の持ち主でした。その背景から、同社が定義する健康は、数値や成分といった「科学」の側面だけでなく、日々の暮らしの彩りや心の豊かさといった「文学」の側面を同等に大切にしています。
「時には体に悪いことをするのも健康かもしれない」―そんな遊び心と余裕を持った情報発信が、顧客との間に深い共感を生んでいます。肩肘を張りすぎず、人生を楽しく続けるためのパートナーであること。その姿勢こそが、彼らのプロダクトが愛される理由です。


20年間、変わらない価格の約束
同社の看板商品である膝のサプリメント「グルコサミンMPB」には、驚くべき記録があります。発売から約20年間、一度も値上げをせずに提供され続けているのです。まだサプリメントが一般的ではなかった黎明期から、彼らは「健康は継続してこそ価値がある」と考え、続けやすい価格設定にこだわってきました。
驚くべきは、そのリピート率です。60代で飲み始めた顧客が、80代になった今も毎月欠かさず注文を寄せる。この20年以上にわたる密接な関係性を支えているのは、今なお社員自らが受ける電話対応です。コールセンターを外注せず、札幌のオフィスで顧客一人ひとりの声に耳を傾ける。その実直なコミュニケーションが、北海道という土地が持つ「誠実さ」というブランドイメージと重なり、揺るぎない安心感を生み出しています。


パッケージに込めた「自尊心」への配慮
サンセリテ札幌のプロダクトデザインには、ある明確なタブーがあります。それは「お客様を高齢者扱いしないこと」です。サプリメントの広告にありがちな、階段を辛そうに昇る高齢者の姿は一切使いません。
「パントリーに置いておいても恥ずかしくない、ポップで明るいデザイン」。それは、利用者の自尊心を傷つけず、健康への取り組みを前向きな楽しみに変えたいという配慮の表れです。手に取った瞬間の高揚感、キッチンに馴染む佇まい。科学的な栄養素を包む「文学的」なパッケージは、利用者の毎日を少しだけ明るく照らします。

1970年代の食卓に学ぶ、本質的な「和」の豊かさ
現在、サンセリテ札幌はサプリメントの枠を超え、新しいプロダクト「和のだし」へと領域を広げています。開発のきっかけは、一人の薬剤師との出会いでした。1970年代、日本の食卓が最も豊かで健康的だった時代には、和食を中心としたミネラル豊富な食事がありました。
「究極は、サプリが必要ないほど普段の食事が充実していること。それが一番幸せなことではないか」。この本質的な問いから、彼らは食事で栄養を補うプロダクト作りをスタートさせました。薬剤師と共に1年をかけて味と成分を調整し、4種類の魚を贅沢にブレンドした出汁を完成させました。利便性と引き換えに失われつつある「食による健康」を、現代のライフスタイルに合わせて再構築する。それは、サプリメントメーカーとしての自らの存在意義を問い直すような、真摯な挑戦でもあります。
札幌の地から、世界へ繋ぐ「豊かな大地」の記憶
彼らは今、雑穀などの食事関連商品の開発を進め、北海道という地の利を活かした情報発信を強化しようとしています。地元のスポーツチームである「北海道コンサドーレ札幌」や「北海道イエロースターズ」との協賛を通じて、地域への還元も忘れません。
自然が育む素材を使い、日本古来の食文化の価値を再定義する。そして、それを必要とする世界の人々へ届ける。サンセリテ札幌が描き出すのは、科学的なエビデンスに基づきながらも、どこか懐かしく温かい、未来の健康の姿です。豊かな大地と繋がっているという安心感が、プロダクトを通じて世界中の食卓を健やかに彩っていく。その旅は、まだ始まったばかりです。
